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6.環境への利点
  大規模な再循環は、温室効果を減少させることになる。人間のし尿の再循環は、土壌の炭素含有量を増加させるために、広範囲に渡るプログラムの一環として大規模に実行されれば、温室効果を減少させるのに役立てることができる。
二酸化炭素(CO2)の大気中濃度の増加は、気候の変化を起こすと考えられており、この現象に対する大部分の努力はCO2を増加させる化石燃料の燃焼や、熱帯雨林の消失からのCO2の放出の減少に集中している。
しかしながら最近、科学者は過剰な大気中の炭素を吸収する役割を持つ土壌の能力に注意を向け始めた(土壌中では、炭素は腐葉土や腐敗する有機物の形で蓄えられる)。多くの因子が、土壌中の炭素の蓄積に影響を及ぼす。
衛生処理された人間の排泄物を大地に戻すことは、土壌を肥沃にさせ、植物の成長を促進させるというプロセスにおいて重要な役割を演じ、その結果、光合成を通して大気中のCO2の総量を引き下げる。
森林外の土壌における炭素総量の2倍弱は、100年にわたる現時の低レベル1%(浸食の結果として)から2%にあたり、これはその期間にわたる大気中炭素の正味の年度増加と釣り合っている。
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原生動物から排出されたクリプトスポリジウムの接合子は、非常に強い抵抗性を示す。それらは回虫以上に環境のストレス(寒さ・高温・塩素やオゾンを用いた水処理)に耐えると考えられている。
  しかし、脱水化であればクリプトスポリジウムを死滅させることができる。実験によると2時間乾燥させたら97%のクリプトスポリジウムの結合子が死滅し、4時間ですべてが死滅した。

4.尿
  人間の排泄物中の植物栄養素のほとんどは尿中に発見されている。成人一人当たり年間で約400Lの尿を排出し、それには4.0kgの窒素、0.4kgのリン、0.9kgのカリウムが含まれている。面白いことにこれらの栄養素は植物に吸収されやすい理想的な状態で存在する(窒素は尿素の形で、リンは過リン酸塩の形で、カリウムはイオンの形で)。尿中の栄養素のバランスは化学肥料のそれと比べて充分に適している。
1年間各々の人間によって排出される400〜500Lの尿は、1年間一人を充分養える250kgの穀物を育成するのに充分な植物性養分を含んでいる。スウェーデンで1993年に排出された人間の尿中の窒素・リン・カリウムといった栄養素は、肥料総使用量の15〜20%に匹敵する。化学肥料と比べて重金属の混入が極めて少ないというのも尿を利用した肥料の利点の一つである。
  密閉型のコンテナで保存すれば、アンモニアの減少は最小限に抑えられる。

5.糞便
  人間の糞便は主に消化されずに残った有機物、例えば食物繊維などを含む。一人1年当たりの糞便の量は25〜50kgで、0.55kgの窒素、0.18kgのリン、0.37kgのカリウムを含む。栄養素の含有量は尿より少ないが、それらは非常によい土壌改良剤である。脱水化や分解により病原体が死滅されてできた無害の有機物は、土壌の有機物量・保水能力・栄養濃度などを高めるために利用される。
  分解の過程によってできた腐植土は、植物を土壌の病原体から守る有用な土壌生物の健全な数を維持するのも助ける。

引用文献

1)『エコロジカル サニテーション』 (非売品)
2001年1月19日発行
著 者  Steven A Esrey、Jean Gough、Dave Rapaport
Ron Sawyer、Mayling Simpson-Hebert、Jorge Vargas
Uno Winblad(ed)
発行元  Sida(Swedish International Development Cooperation Agency:Stockholm)
監 訳  松井 三郎(京都大学大学院 地球環境学堂)
発行所  NPO法人 日本トイレ研究所
     〒105-0001  東京都港区虎ノ門1-11-7 第二文成ビル3F
            TEL.03-3580-7487 FAX.03-3580-7176 


2)[ 都市水管理の先端分野 行きづまりか希望か ]   
発行年月 : 2003年06月
価格 : 7,770円(税込)

edo Maksimovi /〔編〕
Jose Alberto Tejada‐Guibert/〔編〕

京都大学大学院 地球環境学堂 教授 松井 三郎 監訳・著
京都大学大学院 工学研究科 環境質制御研究センター 助教授 清水芳久

京都大学大学院 地球環境学堂 助教授 松田知成 他訳
京都大学大学院 地球環境学堂  助手 内海秀樹  

出版社名 : 技報堂出版
        〒102-0075
        東京都千代田区三番町8-7 第25興和ビル
          TEL 営業03-5215-3165
          FAX 03-5215-3233


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エコロジカルサニテーション 理論編

1.原理


 衛生対策とは、社会の平等性や社会の持続性を可能にする決定因子である。衛生対策への新しい挑戦がなされなければ、私たちは次世代へ問題を残さずに現世代の要求を満たすことができないであろう。それゆえに衛生対策というものは廃棄物を取り扱う考えではなく、資源を取り扱う考えなのである。
 従来の排泄物を処分するという考え方から、廃棄物を出さず再利用するという考え方に変えていかなければならない。また、このことを実行することは大切な水資源を保存することにもつながるのである。

2.排泄物の衛生対策

 人間の排泄物は、微生物やその卵、その他様々な生物を含んでいる。生物の中には病気を引き起こすものもいて病原体と呼ばれている。また、人間に寄生しているものもいる(寄生虫)。
これらの生物のほとんどが糞便中に発見されている。尿は一般に無菌である。
 新鮮な人間の糞便中にはバクテリア・ウイルス・原生動物・蠕虫(腸内寄生虫)といった四つの主な生物のグループがある。これらの生物は排出されたあと、すぐ感染するもの・感染までにある期間を要するもの・感染するまでに媒介としての宿主を必要としたりするものに分けられる。
 汚染された環境は人間を感染症や病気を引き起こす病原体という危険にさらす。

3.病原体を死滅させる方法

Copyright (C) 2001 Daio Densetsu Industrial Co.Ltd. All Rights Reserved
           バイオトイレの大央電設工業株式会社.

上述した環境条件の一つ一つは、病原体が生存するのに適したいくらかの幅を持つ。自然変化や人為的によって条件が変化すれば、病原体の死滅速度も変化する。例えば、温度が上昇すれば病原体の死滅速度も増加する。土壌中で糞便性大腸菌が99%死滅す
るのに、夏場は約2週間、冬場は約3週間かかる。温度が60℃以上になると、糞便中のほとんどの病原体はすぐに死滅する。温度が50℃から60℃の範囲においては、バクテリアは成長することができず数分で死滅する。ほとんどの病原体は30分以内で死滅す

             尿と大便の栄養素比較

 

 

尿

大便

 

 

g//

g//

g//

湿重量

1200

90

140

10

1400

100

乾重量

60

63

35

37

95

100

窒素

11

88

1.5

12

12.5

100

リン

1

67

0.5

33

1.5

100

カリ

2.5

71

1.5

29

3.5

100

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