山小屋・山間部公園・山道など山岳トイレについて

山小屋のトイレ

 現在、登山者が集中する山小屋・山間部公園・山道など山岳トイレには多くの問題が発生しています。山小屋に設置しているトイレの排泄物は結果的にはどこかに処分しなければなりませんが、効果的な処理方法が確立されているわけではありません。沢へ垂れ流し、山に毎年場所を変えて汲み出した排泄物を埋める、人海戦術に頼るかまたはへリコプターで排泄物を汲み取り処理できる場所までおろす等なんらかの手段が必要となります。
この問題の解決方法として、バイオトイレに注目が集まりましたが、バイオトイレの場合も温度(寒冷地)や使用頻度により、放っておくと溜めと同じ状態になり限界がありました。

「いま、八ヶ岳で」 生ごみの処理 悩む山小屋 減量・再利用にも課題

八ヶ岳連峰の天狗岳(2,646m)近くにある山小屋「黒百合ヒュッテ」の夕食の食事には新鮮な生野菜が並ぶ。かつて山小屋の食事は缶詰やレトルト食品など保存食が中心であったが、今は違う。一方で悩ましいのは調理によって発生する生ごみの多さだ。「水分が多くて、においもあるので処分が大変」だからだ。この山小屋では7,8月は可燃、不燃ごみ合わせて1ヶ月に200kg〜300kgのごみがでる。山小屋の従業員も担いでふもとに下ろすが、メインは月1回のヘリコプターよる搬出。その費用は1回5万〜6万円かかる。 廃棄物処理法の改正で2001年4月からごみの野焼きや家庭用焼却炉での処分が禁止された。山小屋はヘリコプタに積んだり、従業員が担いでふもとへ運ばざる得なくなった。来年から始まる団塊の世代の定年退職で、登山客も増え、さらにごみが増える可能性が高いごみ処理は山小屋共通の課題である。こうした中、重い生ごみの量を減らして再利用する試みも始まっている。硫黄岳山荘と根石山荘では、家庭用生ごみ処理機を導入して1/3までごみの量を減らし、処理した生ごみは、ふもとの畑で堆肥として活用する。しかし、夏の登山客のピーク時は処理能力が排出量に追いつかず、多くをヘリコプタで運ぶ。赤岳鉱泉では来年夏にも大量の可燃ごみを高温処理して5%ほどに減量し、自家発電もできる新型装置を導入する。しかし開発したメーカによると「誰でも使用できるという操作性や騒音に課題がありまだ実用化は難しい」(開発担当者)。
さらに工場でのテストが必要な段階で、赤岳鉱泉への納入も遅れている。八ヶ岳のごみ処理問題にはまだまだ時間がかかりそうである。

信濃毎日新聞 2006年9月27日版より抜粋

 このような状況の中で、弊社のバイオトイレ「バイオR21」は山岳用バイオトイレとして高い評価を得ており、吉田ルート下りの富士山七合目トイレを筆頭に数多くの設置実績がございます。

バイオトイレ「バイオR21」特徴

富士山七合目バイオトイレ 正面
  • し尿分離型
    尿と糞便を分離することで、処理槽内の許容範囲を大幅に引き上げることが可能になります。
    セパレート便器
  • JSS(重量センサーシステム)・SBS(し尿分離システム)
    分離された尿は、配管を通って最初は処理槽に入ります。あらかじめ設定した数値以上の水分が入ると、JSSにより重量を感知して電動三方弁が回転し、設定値を超えた尿のみ専用タンクに分離します。ヒーターの熱と発酵熱により乾燥してくると、再び三方弁が回転し、尿は処理槽に流れます。これを繰り返すことにより、バクテリアが微生物処理するために最も適した環境を保ちます。
    JSS(重量センサーシステム)・SBS(し尿分離システム)
  • ハイブリッド発電システム
    電源が無い場合は、太陽光発電、風力発電、水力発電、発電機(これら外部電源は全てインバータ制御)による運用が可能となります。
    ハイブリッド発電システム
  • 好気性バクテリアの投入
    環境の変化に強い好気性のバクテリアの開発(特許)により、微生物処理の能力を高め悪臭や汚泥の発生を防ぎます。また生ゴミや廃食油等の処理も可能です。
    バクテリアによる有機物の分解理論

これらの特徴により、「バイオR21」は山小屋・山間部公園・山道などに設置できる自己処理型バイオトイレとして高い評価を得ています。

バイオトイレの設置

写真の縞枯山荘のように、車で現場までいけない場合も工事は可能です。へリコプターにて機材を運搬し、工事を行います。